小児の口腔組織の特徴

  • 辺縁歯肉はみを帯び、厚さはい。
  • 樹霜扁平上皮はい。
  • 辺縁歯肉と付着歯肉の境界は成人より明瞭である。
  • スティップリングは少な
  • 歯肉乳頭は底辺のい、高さのい三角形
  • 歯根膜腔は
  • 骨髄腔は
  • セメント質は
  • 第2象牙質の形成量は乳歯の方がい。
  • 歯冠長に比べ、歯根長はい。
  • 心の髄角が突出している
  • 歯頸部で強く狭窄している
  • 摂食点の位置がい。

乳歯齲蝕、小児の齲蝕予防

<疫学>

  • 1〜2歳:上顎乳前歯唇側面、隣接面
  • 3〜4歳:乳臼歯咬合面
  • 4〜5歳:乳臼歯隣接面
  • 6〜7歳:上下第1大臼歯
  • 8〜9歳:上顎前歯
  • 10歳 :側方歯、第2大臼歯
  • 乳犬歯:上顎下顎
  • 乳臼歯:上顎下顎
  • E:近心面遠心面
  • 性差:男性女性

<母子健康保健分類>

  • A型:上顎Iのみor上顎Mのみ
  • B型:上顎Iかつ上下いずれかのM
  • C型:下顎I
    • C1型:下顎Iのみ
    • C2型:下顎I and more

<治療>

  • 乳歯のエッチング時間は永久歯よりも
  • 乳歯の支台歯形成のテーパーはつけない
  • 側室の窩縁斜面は不要
  • 既成乳歯冠は歯質の削除量が少ない。。。。

<小児の齲蝕予防>

齲蝕予防の根拠の質

  1. 定期的な歯科検診:レベルIII
  2. フッ化物(水道水、塗布、洗口など全て):レベルI
  3. 就寝中の哺乳瓶は控える:レベルIII
  4. シーラント:レベルI
  5. 甘い物を控える:レベルII
  6. 個人的な歯科衛生(ブラッシング、フロス、F無し歯磨材):レベルIII

外科的矯正

<適応>

上顎前突

  1. 上顎前方歯槽部骨切り術(Wassmund-Wanderer法)
  2. 上顎後方歯槽部骨切り術(Schuchardt法)

上顎後退

  1. Le Fort 1型骨切り術
  2. Le Fort 2型骨切り術
  3. 骨延長術

下顎前突

  1. SSRO
  2. 垂直骨切り術(Robinson法)
  3. 下顎前方歯槽部骨切り術(Kole法)
  4. 下顎骨体骨切り術(Dingman法)
  5. 下顎水平骨切り術(Kostecka法)
  6. 斜走骨切り術

下顎後退

  1. SSRO
  2. 骨延長術

下顎非対称

  1. SSRO
  2. 垂直骨切り術

開咬

  1. SSRO
  2. 下顎前方歯槽部骨切り術(Kole法)

手術法
名称
上顎前突
上顎後退
下顎前突
下顎後退
下顎非対称
開咬
形態修正
上顎
上顎前方歯槽部骨切り術
Anterior Maxillary Osteotomy
Wunderer
Wassmund-Wunderer






上顎後方歯槽部骨切り術
Posterior Maxillary Osteotomy
Schuchardt






Le Fort I 型骨切り術
ーーーーー






Le Fort II 型骨切り術
ーーーーー






下顎
下顎枝矢状分割術
SSRO
Sagittal Spilitting Ramus Osteotomy
Obwegeser原法
Obwegeser
Obwegeser-Dal Pont



垂直骨切り術
Vertical Osteotomy
Robinson





下顎前方歯槽部骨切り術
Dentoalveolar Osteotomy
Kole





下顎骨体骨切り術
Mandibular Body Osteotomy
Dingman






下顎水平骨切り術
下顎頸部骨切り術
Kostecka






斜走骨切り術
Oblique Sliding Osteotomy
ーーーーー






その他
骨延長術
Distraction Osteogenesis
ーーーーー





オトガイ形成術
Genioplasty
ーーーーー






下顎隅角部切除術
ーーーーー






    唇顎口蓋裂

    <疫学>

    • 日本人では1/5000.2%)
    • 口唇裂:口蓋裂:唇顎口蓋裂=121
    • 口唇裂
      • 左:右=53
      • 片側性両側性
    • 口蓋裂
      • 男:女=12
      • 第1大臼歯の位置異常が多い
    • 唇顎口蓋裂
      • 男:女=21
    • 先天性口唇瘻
      • 側性の唇顎口蓋裂に合併する事が多い。
        瘻孔の多くは唇中央に2つ左右対称性に出現し、側性は稀である。

    <治療>

    • 3〜6ヶ月(6kg):口唇形成術
      1. 四角弁法『はげた鬼塚の割れ目』
        1. 鬼塚法
        2. Hagedorn法(ハーゲダーン)
        3. Wang法(ワング)
        4. Le-Mesurier法(レメシュリエール)
      2. 三角弁法
        1. Tennison法
        2. Randall法
        3. Cronin法
        4. Tange法
        5. Skoog法
      3. Millard法(Rotation advancement法)
      4. 直線法合法 今は行われない
    • 1歳6ヶ月(10kg):口蓋形成術
      1. Push Back法
      2. Perko法
      3. Wardill法(ワーディル)
      4. von Langenbeck法(ボンランゲンベック)
    • 口唇修正術
      1. Abbe法

    リウマチ性疾患

    <臨床検査所見>

    1. 赤血球数の低下
    2. 白血球の増加
    3. CRPの亢進
    4. 赤沈の亢進
    5. A/G比の低下
    6. LE細胞の陰性
    7. リウマトイド因子陽性

    熱傷・凍傷

    <熱傷>

    第1度:表皮ー角化層。紅斑を生じる
    第2度:表皮ー真皮乳頭層。水疱を生じる
    第3度:表皮ー皮下脂肪層。壊死する。
    第4度:炭化しちゃった。

    <凍傷>

    第1度:浮腫
    第2度:水疱
    第3度:壊疽

    扁平帯癬

    普通の治療は以下の2つ
    1. 免疫抑制剤
    2. ステロイド
    でも、以下も考慮する。
    1. 金属アレルギーの原因となる金属修復物の除去
    2. 機械的刺激の原因となる修復物の除去
    3. レーザーによる蒸散
    4. 消炎鎮痛剤の投与

    抗微生物薬

    『ペニスはセフレ。あ、待って...グニュリ!苦労する。』


    抗菌薬
    名称
    抗菌薬
    ペニシリンラクタム)
    ~シリン
    セフェム系ラクタム)
    セ~
    アミノグリコシド
    ストレプトマイシン
    カナマイシン
    ゲンタマイシン
    アミカシン
    アルベカシン
    マクロライド
    エリスロマイシン
    クラリスロマイシン
    アジスロマイシン
    オレアンドマイシン
    ジョサマイシン
    テトラサイクリン
    ~サイクリン
    グリコペプチド
    バンコマイシン
    ニューキノロン
    ~キサシン
    リンコマイシン
    クリンダマイシン
    クロラムフェニコール
    クロラムフェニコール
    抗結核薬
    アミノグリコシド
    カナマイシン
    その他
    イソニアシド
    リファンピシリン
    抗真菌薬
    アムホテシリンB
    ミコナゾール
    イトラコナゾール
    フルシトシン
    ナイスタチン
    抗原虫薬
    メトロニダゾール
    抗ウイルス薬
    ヘルペス(HSV,VZV)
    アシクロビル
    ビタラビン
    インフルエンザ
    (ノイラミニダーゼ阻害
    アマンタジン
    オセルタミビル(タミフル、カプセル)
    ザナミビル(リレンザ、吸入)
    ベラミビル(注射)
    サイトメガロウイルス
    ガンシクロビル
    HBCV
    インターフェロン
    HIV(逆転写酵素阻害)
    ジドブジン

    <抗菌薬の作用機序>『あくまてリン子は淡白』ニューハーフはDNAがおかしい。他は細胞壁阻害

    タンパク質合成阻害
    アミノグリコシド
    クロラムフェニコール
    マクロライド
    テトラサイクリン
    リンコマイシン
    DNA合成阻害
    ニューキノロン
    細胞壁阻害
    ペニシリン
    セフェム
    グリコペプチド

    <抗菌薬の選択順序>

    <肝で代謝される薬>

    1. マクロライド
    2. クロラムフェニコール
    3. テトラサイクリン

    <妊婦の場合>

    • セフェムマクロライド:投与可能
    • クロラムフェニコールテトラサイクリン:胎児への影響が懸念されるので、通常投与しない。
    • ニューキノロン系:催奇形性あり。投与禁忌

    潰瘍・アフタ

    1. アフタ性潰瘍紅暈に囲まれた5mm程度の潰瘍のことをアフタという。
      1. 孤立性アフタ
        1. 1個のアフタのみ。
        2. 治療法は口腔内の清掃ステロイド軟膏の塗布。二次感染予防のための抗菌薬投与。
      2.  再発性アフタ
      3. アフタ性口内炎
    2. 褥創性潰瘍:原因の除去により、10日ほどで治癒する。
      1. 義歯によるもの
      2. Bednarのアフタ
      3. Riga-Fede病
    3. 壊死性潰瘍性歯肉炎
    4. その他の潰瘍
      1. 結核
        1. 辺縁不規則表在性、穿掘性の有痛性潰瘍。
        2. 辺縁に隆起硬結はない。
        3. 潰瘍底部は灰白色。
      2. 梅毒
        1. 辺縁不規則
        2. 周囲に硬結を伴う。
        3. 表面は粗造で、易出血性を示す。
        4. 進行すると壊死物質に被覆される。

    細菌感染症 特異性炎

    <特異性炎/肉芽腫性炎とは>

    • マクロファージ由来の類上皮細胞が存在する炎症のこと!
    • べつに、肉芽が存在しているからってわけじゃない!
    • 歯根肉芽腫は肉芽腫性炎ではない!

    <放線菌症>

    原因

    • 口腔常在菌の気性グラム性菌である放線菌アクチノマイセスイスラエリの感染による。

    症状

    • 初期症状は急性な顎炎だが次第に慢性化。胸部、耳下腺咬筋部、頸部にび漫性腫脹と板状硬結を示し、開口障害を起こす。それが部分的に多発性膿瘍を形成し、瘻孔となる。膿汁には淡黄色の菌塊を見る顎骨がおかされると、骨髄炎を起こす。
      1. 耳下腺咬筋部の板状硬結
      2. 高度な開口障害
      3. 多発性膿瘍
      4. 希薄な膿汁、膿汁中の放線菌塊の証明

    診断

    • 上記特徴的所見
    • 菌塊の証明
      • 染色はグラム染色やPAS染色が用いられる
      • 菌塊は、中心部は放線菌が密集しており、その周囲を性色素に染まる棍棒体が並ぶ。その外周は多核白血球が密に取り囲んでいる。

    治療

    • 抗菌薬の投与
    • 膿瘍の切開排膿
    • 治療は期間である。

    <結核>

    疫学

    • 日本は先進国の中で発病はい。
    • 近年多剤耐性菌(MDR-TB)が多数出現しており、再興感染症に指定されている。

    原因

    • 抗酸菌で気性グラム菌であるマイコバクテリウムツベルクローシスの感染。
    • 初感染は飛沫感染、空気感染により通常に起こるが、稀に、皮膚、扁桃、腸管にも起こる
    • 口腔結核は口腔周囲の皮膚、口腔粘膜、顎骨、リンパ節に現れる。
    • 口腔結核は肺結核から管内性、血行性、リンパ性に感染し、二次的に生ずる事が多い。

    症状

    1. 口腔周囲皮膚結核 
      1. 尋常性狼瘡として、鼻翼、鼻唇溝、口唇に見られる 
      2. 黄褐色ないし、紅褐色の栗粒大の結節が多数出現し、やがて自潰し、次第に融合拡大する。 
    2. 口腔粘膜結核 
      1. 初期には栗粒大の灰白色、紅色の結節が生じる 
      2. 次第に自潰融合し、潰瘍を形成する。 
        1. 深さはく、 
        2. 周囲は鋸歯状で、 
        3. 穿掘性である。 
        4. 表面は淡紅色の顆粒状、または薄い白苔で覆われ、 
        5. 刺激により出血しやすく、 
        6. 痛性である。 
        7. 周囲の隆起硬結は無い。 
    3. 顎骨結核
      1. 血行感染や、根管から感染する。 
      2. 小児に多く、急性症状を認めずに骨の破壊を起こす 
      3. 周囲軟組織に寒性膿瘍を形成し、自潰して瘻孔を形成する。 
    4. リンパ節結核
      1. ワルダイエルの咽頭輪より感染 
      2. 結核性リンパ節炎は頸部に多く発症し、瘰瀝とも呼ばれる。リンパ節は痛性で弾性動性腫脹を示す。 
      3. 進行するとリンパ節内の乾酪変性部が融解自潰し、顎下部に結核性瘻孔を生じる 
      4. 慢性化すると乾酪壊死部に石灰化を生じる

    診断

    1. 肺結核の有無の確認。胸部X線写真を用いる
    2. 喀痰、潰瘍面浸出液、膿汁からの結核菌の証明。
      1. Ziehl-Neelsen染色にて検出される。
      2. 細菌培養検査では、鶏卵を使った小川培地を用いる
    3. 病理組織検査
      1. 組織像は類上皮細胞
      2. Langhans型巨細胞
      3. 乾酪壊死像および
      4. 周囲のリンパ球浸潤による結核結節が認められる。
    4. ツベルクリン反応

    治療方針

    1. 抗結核薬:イソニアシドリファンピシリンストレプトマイシンの3薬併用の内服が推奨されている。
    2. 口腔結核潰瘍部やリンパ節、腐骨など、感染部切除。

    <梅毒>

    原因

    1. 梅毒トレポネーマパリジウムの感染
    2. 先天性梅毒と後天性梅毒がある。

    症状

    1. 先天性梅毒
      1. バロー裂溝;口腔周囲に扁平コンジローマを生じ、潰瘍の瘢痕治癒により放射線状亀裂様瘢痕
      2. 鞍鼻:鼻中隔、鼻骨が侵される
      3. ハッチンソンの三兆候
        1. 角膜実質炎、
        2. 内耳障害性難聴
        3. ハッチンソン歯永久前歯の切縁が嵌凹している
      4. フルニエ、ゴージュ、ムーン歯:上下第1大臼歯と第2乳臼歯の咬頭発育不全
    2. 後天性梅毒
      1. 第1期:2〜3週間経過
        1. 初期硬結:性交渉から2〜3週間後に粘膜に無痛性の初期硬結を生じる。
        2. 硬性下疳:硬結が大きくなり、潰瘍を形成する。(下疳=性感染症の潰瘍)
        3. 梅毒血清反応:性。
      2. 第2期:2〜3ヶ月経過
        1. バラ疹:血行性に広がり、全身に発疹を生じる。
        2. 扁平コンジローマ:紅斑性梅毒発疹、丘疹性梅毒疹を生じ、潰瘍を形成し、扁平コンジローマとなる
        3. 骨膜反応:顎骨では、骨の破壊、骨膜の肥厚、骨添加が起こる
        4. 梅毒血清反応:
      3. 第3期:2〜3年経過
        1. ゴム腫:全身に生じる。口腔内では小さい物ができ、中心は潰瘍となる
        2. 硬化性舌炎:舌は硬化萎縮する。
        3. 鞍鼻口蓋穿孔:ゴム腫の潰瘍から腐骨を形成し、菲薄な上顎骨や鼻骨は破壊される。
      4. 第4期:数十年後
        1. 脊髄瘻脳梅毒などの神経病変
        2. 口腔領域では原因不明の神経痛様疼痛

    診断

    1. 梅毒菌の顕微鏡監察
    2. ワッセルマン反応
    3. TPHA試験

    治療

    ムリポ。抗菌薬投与するくらい。